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人口減少対策への取り組みについて

美作市の人口減少は深刻な局面を迎えており、特に若年層の市外流出が顕著です。こうした中で、市内唯一の県立高校である林野高校では、令和10年度に第1学年の生徒数が100人を下回る状況となれば再編整備の対象校になることが決まっています。

もし、万が一、市内唯一の県立高校が無くなれば、進学を機に市外へ出る若者がさらに増え、子育て世代の定住意欲にも影響を与え、結果として人口減少がさらに深刻化する恐れが極めて高くなることが懸念されます。

教育環境の充実は、人口減少に歯止めをかける上で欠かせない要素であり、私は林野高校の存続はその重要な柱のひとつと考えます。そこで、美作市として、林野高校の存続と人口減少対策との関連性をどのように捉えているのか、またその存続に向けてどのような姿勢と方針で臨んでいるのかを伺いました。


【質問1】
美作市として、県立林野高校の存続と人口減少との間に関連性があると考えているか。

【執行部からの回答】
林野高校の存続は地域活性化に大きく寄与するものと捉えており、子育て世代の減少、さらには地域全体の活力低下に直結する深刻な課題であると認識している。


【質問2】
地域と高校が連携するためのコンソーシアム(協働体)の設立について

【執行部からの回答】
林野高校の魅力化については、先日開催された林野高等学校運営協議会においても、地域、行政、関係団体(岡山湯郷Belleも含む)による活発な意見交換がなされていた。また、林野高校をサポートする団体としてのコンソーシアムの設立に向けた動きとして、本年4月にコンソーシアムの概要の説明を聞いており、その中で、国の交付金の活用を検討されていることを聞いている。本年の秋ごろには組織や活動の概要が明確になってくるのではないか。


【質問3】
令和8年度からの学校改革について

【執行部からの回答】
林野高校では令和8年度魅力的な高校を目指し、特徴ある教育活動を目指している。学びたいことが学べる、学びの意欲を引き出すゼミの開講、自己実現と社会参画につながる探究活動として進化するMDP(マイ・ドリーム・プロジェクト)、DXハイスクールの選択高として、イノベーションルームを活用した交流、地域の行事に参加し地域との交流などが進められており、今後、具体的な事業展開が明確になっていけば、市長部局とともに、教育委員会としてできる支援を検討していきたい。


【総括】
人口減少という大きな課題の中で、地域に根ざした高校の存続は、教育政策の枠を超えて、まちづくり全体に関わる重要なテーマです。林野高校の存在を地域の誇りとし、若者が「この町で学びたい」「この町で暮らしたい」と思えるような環境づくりが求められていると改めて実感しました。

現在、民間が主体となり、地域・行政・関係団体などによる地域の協働体「コンソーシアム」の設立に向けた動きが進んでおり、地域全体で林野高校を応援していける環境が少しずつ整ってきています。最近では、多くの難関大学が、テストの点数だけでは測れない「自分の頭で考え、行動できる力」を持った生徒を積極的に求めています。これは、社会が複雑になる中で、ただ知識を覚えるだけでなく、新しい課題に自ら向き合い、解決策を見つけ出せる人がより必要とされているためであり、そのためには、新しい学びのスタイルが不可欠になります。

林野高校で新しい学びのスタイルを実践できるようになり、今後も魅力ある進学校として発展していってほしいと願っています。そのためにも、市としても教育委員会としっかり連携し、必要な支援のご検討をよろしくお願いします。私自身も、若い世代が地元に残りたいと思えるまちづくり、そして子育て世代の移住促進にもつなげられるよう、引き続き努力してまいります。